明日は1月の15日、小正月。 正月の締めくくりに松飾りなどを神社の境内に持ち寄って盛大にお焚き上げをする地域も多いでしょう。  こうして松飾りの取れるあたりから、主役は取って代わってだんごさしになります。 木の枝(なんでもミズキの枝らしいですが)にダンゴを刺し、縁起物の大判小判や、米俵、恵比寿大黒などを模した飾り物をぶら下げて、神棚のわきに飾る。五穀豊穣や家内安全などを願ったものでしょうか。 だんごさしが飾られると家の中が急に華やかになったような気がします。 家々にそのだんごさしが揺れるころ、おそらく15日の前夜だったと思います。 その昔、このあたりの昔の子供たちが楽しみにしていた行事がありました。 その名も「だんごくいでこっこ」。 日がとっぷり落ちて暗くなったころ、子供たちが二人三人と連れ立って、ご近所の家々を巡ります。 大きな声で「だんご食いでこっこ!だんご食いでこっこ!」と他の家の玄関先に立って大きな声で呼びかけ、駄菓子などをもらうのです。 時には、小銭をおひねりにして渡してくれる家もありました。厄年の人が居る家では、厄落としとして凧や紙風船をくれる家も。 ポケットにパンパンになったのをこぼれないように抑えながら、何軒も巡る途中、他の子どもたちと出会えば、あっちの家でこれをもらった、こっちの家の方がいいぞと、情報交換しながら、時間のたつのを忘れて「だんごくいでこっこ」と叫んだものです。 ところが、しばらくたって、この風習はあっけなく消えていきました。 他人の家に物をもらいに押し掛けるのは、教育上よろしくないと学校からのお達しがあったからと聞いています。 聞くことの無くなった「だんごくいでこっこ」、エアコンの風に揺れるだんごさしを見ながら、大昔を思い出し懐かしくなりました。